年末、一通のLINEが届いた。
仕事でお世話になっている先輩から。
「言いにくいんだけどさぁ、末期がんだって。俺」
60代前半、ゴルフはいつも優勝、健康オタク。

一か月前、一緒に温泉旅行に行った。
長距離運転を任せ、夜遅くまで酒を飲んだ。
いつも通りだったのに。

翌日、会いに行った。
ホスピス。治療は諦め、ただ死を待つだけの場所。
テーブルの上に醤油瓶、積まれたパジャマ、満杯の冷蔵庫。
短期入院ではないのが、静かに伝わる。

先輩は私を気遣うように、冗談交じりにゆっくり話し始めた。
・原発(がんが最初にできた場所)不明、肝臓・腎臓・骨、その他に転移(精密検査不可)
・余命3か月
・半年前の健康診断:異常なし
・腰痛で病院巡りしたが、がん発見できず

「何を話せばいいの?」
愛想笑いがひきつる。
私は毎年、数名の末期がん患者と面談、慣れているハズだった。
「今までは他人だからできたの?
そんないい加減に、見送ってきたの?」
自分の”安さ”にさいなまれる。

帰り道、コンビニの駐車場。
共通の友人に電話。
「末期がん」口にした途端、涙が止まらなかった。
この20時間、感情が止まっていた自分を知る。

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